中性脂肪の正常値は空腹時に採血し血液中に含まれる値が150mg/dl未満とされています。これを基準値とし、この値を超えると高中性脂肪血症、脂質異常症となり血液中の中性脂肪の脂質が多すぎる病気と診断されます。

食生活が変遷するにともない、肉食や外食が増え高カロリーで油脂分の多い食事メニューが多くなってきた日本人の生活は、血液中の中性脂肪の値にも大きく影響してきています。今や日本人成人の半数以上が中性脂肪境界域(110〜150mg/dl)及び脂質異常症にあるといわれています。

男性の場合、30歳を過ぎた頃から中性脂肪値は急激に上昇し、60代を迎える頃には基準値を20〜30mg/dl超える増加傾向にあります。一方女性は、20代から40代にかけて中性脂肪値は増加しますが、男性のそれに比べると非常に低く50代後半まで基準値を上まわることはありません。これは女性ホルモンが脂質代謝をコントロールしているためで、閉経を迎える頃には女性ホルモンが減少し中性脂肪が急激に増加します。  総じて働き盛りの男性、更年期にかかる中高年女性は中性脂肪の増加に注意が必要です。