中性脂肪とアトピー

アトピー性皮膚炎とは、気管支喘息や鼻炎などの蕁麻疹を起こしやすいアレルギー体質に刺激が加わって、かゆみや湿性のただれを伴う慢性的皮膚炎疾患と考えられています。アトピー性皮膚炎を発症する約80%が5歳までの幼児期で年齢により現れる症状が異なります。人特有の遺伝性敏感症です。

最近では脂質がアトピー性皮膚炎の原因に関与していることが分かってきました。中性脂肪やコレステロールなどの脂質は本来、貯蔵エネルギーであり、ホルモンや消化液合成、細胞膜構成に関わり体内で重要な役割を担っています。しかしこれらの脂質が活性酸素と結びつくことで過酸化脂質を形成し、アトピーを発症しやすくなります。

活性酸素は体を細菌やウイルスから守る役割があり、本来人間にとって必要な存在ですが、増えすぎると自分の体細胞まで破壊し、脂質と結びつくことで過酸化脂質を発生させてしまいます。

過酸化脂質は脂肪性であることから細胞内に浸透しやすく分解されにくい性質があり、長期間体の内部に存続しその毒性で細胞を徐々に破壊していきます。過酸化脂質は臓器、血管、皮膚など体のあらゆる部位に沈着浸透し細胞を破壊していきます。アトピー性皮膚炎の場合は過酸化脂質が皮膚細胞にでき、皮膚角質層の保湿機能を奪われることで皮膚のバリア機能が低下し、ホコリ、ダニ、刺激に弱くなってしまいます。 アトピー性皮膚炎の原因は、活性酸素が中性脂肪やコレステロールなどの脂肪分と結合してできた過酸化脂質が皮膚角質層の保湿やバリア機能を奪うことにあるのです。

中性脂肪など脂肪分が活性酸素と結合してできる過酸化脂質は、アトピー性皮膚炎に加えて体に様々な害をもたらします。血管に過酸化脂質が付着することで血管の弾性を失い、血流が悪くなり動脈硬化を促進、脳梗塞、心筋梗塞を発症します。瞳孔のレンズ内部に過酸化脂質が付着することで老人性白内障発症します。

過酸化脂質をつくる活性酸素は、紫外線、残留農薬、食品添加物、排気ガスなどの環境によるもの、インスタント食品や加工食品の増加によるミネラル、ビタミンE・Cの不足など食生活によるものが考えられます。これに加え、肉、乳製品、生クリームやチョコレートなどの脂肪分をとることで、過酸化脂質を増加させてしまいます。アトピー性皮膚炎改善には食生活の見直し、特に活性酸素と結びつく中性脂肪やコレステロールを下げる食事改善もひとつの効果的な対策です。